kelly's note
短い間だったけどサヨナラだねって
バイトのみんなと握手して金曜日に辞めたあの店
前ぶれもなく参入したバー業界
別の店に行くことになって迷惑も承知で年末前に辞めました
一人でまわす小さな小さなカウンターのバーだったから
バイトの子とも殆ど喋ることもなく
お客さんとばかり仲良くなった
今まで触れ合うことの無い世代と深い話して
勉強になったっていう以上に 価値観まで揺らがされたりして
しんどかったりもしたし でもすごく楽しかった
高校の友達とか幼馴染とか前のバイトの子とか
「もむの部屋だね」って来てくれたりもしたのに
お客さんとピアノ連弾したり 練習会したり黒ヒゲの罰ゲームで恥ずかしい話とか
お客さんの写真撮ったり
こんなんで給料貰っていいのっていう過ごし方ばっかりしてたのよ
来てくれたお客さんのことひとつ残らず覚えていたくて
いつもサロンのポケットに入れてた小さなノートには
病的なまでに事細かなお客さん情報が書いてある
このノートは潔く捨てるよ
別に捨てたい思い出なんかじゃない
大事なことは全部覚えてるもの
という自負も今に消え去ってしまうんだろうけど
それでもいい 深く記憶に残ったことだけを ね